統合失調症 研究グループについて

京大統合失調症研究の沿革

 京都大学精神医学教室での、MRIを用いた精神疾患の脳画像研究は、2004年より始まりました。はじめは村井俊哉教授(当時は准教授)と数人の大学院生しかおらず、データ解析用のコンピュータも1台しかありませんでしたが、プロダクティブに研究成果を発表するうちに、どんどんと人が集まりだし、現在のような大きな教室になりました。

 統合失調症の研究は、教室の初期から中心的テーマの一つであり、まずは統合失調症をもつ方に見られることがある「社会的認知の問題」の神経基盤を探る研究を行って来ました。2010年に高橋英彦先生(現・東京医科歯科大学教授)が着任されてからは、妄想や幻聴などの統合失調症の主症状の病態生理や、意思決定の問題などへと研究テーマを広げました。

 現在では、講師の宮田を中心に、統合失調症の客観的診断法、ニューロフィードバックや認知リハビリテーションなどの新しい治療法、妄想・幻聴・自我障害などの認知神経基盤、老年期の精神病、脳内の代謝物質、血液・免疫、遺伝子、大規模共同研究プロジェクトなど、幅広く活発に研究を行っています

 教室からの主要論文はこちら

統合失調症研究メンバー

スタッフ

宮田淳
京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座(精神医学)講師
分野:構造・拡散・機能的MRI画像、妄想の認知神経基盤
コメント:研究すればするほど、疾患と健康の境界って実は曖昧だな、と感じるこの頃です。面白いと感じることを真剣に追求していく仲間を募集しています。

中神由香子 
京都大学学生総合支援機構 助教(2019年医学研究科博士課程卒業)
分野:脳画像研究、疫学研究、統合失調症における自己免疫異常
コメント:様々な切り口で統合失調症の病態を追求していきたいと考えております。一緒に研究しましょう。

研究員

小林祐子
分野:ニューロフィードバックトレーニング、作業記憶(一時的に情報を保持する能力)
コメント:作業記憶などの認知機能と、それを担う脳のネットワークに関心を持っています。

河島孝彦
分野:バイオマーカー開発、ニューロフィードバックトレーニング
コメント:脳科学や精神療法の方法論を一人ひとりに合った形で援用して、心健やかに過ごせるようなお手伝いができたらよいなと考えています。

大学院生

博士課程4年

博士課程3年

山田晶子
分野:統合失調症、児童思春期の臨床
コメント:妄想の認知神経基盤について、心理学や画像学を勉強しながら研究に取り組んでいます。

安藝森央
分野:マインドフルネス、メタ認知トレーニング、自尊心
コメント:統合失調症という病気と認知の変化について、科学し、理解を進めようと考えています。

博士課程2年

博士課程1年